

この記事の結論
1. 人事異動で防火管理者が交代したときは、「防火・防災管理者選任(解任)届出書」と「消防計画作成(変更)届出書」の2通を所轄消防署に提出します。東京消防庁も、防火管理者を選任・変更する場合はこの2つが必要としています。
2. 届出義務を負うのは管理権原者(建物やテナントの所有者・事業主)です。防火管理者本人ではありません(消防法第8条第2項)。
3. 選任届・解任届を怠ると、消防法第44条第8号により30万円以下の罰金または拘留に処せられます。
4. 防火管理者の選任が必要かどうかは、延べ面積ではなく「収容人員」で決まります(消防法施行令第1条の2第3項)。延べ面積は甲種・乙種の区分に使う数字です。
5. 報酬を得て業としてこれらの届出書類を作成できるのは行政書士だけです(行政書士法第1条の3、第19条第1項)。「防災コンサルタント」等への書類作成の依頼は違法となります。
4月や10月の人事異動で防火管理者が転勤・退職し、後任が決まらないまま数か月が過ぎている——消防署の立入検査で最も多く指摘される事項のひとつです。
本記事では、行政書士(特定行政書士・防火対象物点検資格者)である筆者が、防火管理者の交代時に必要な手続きを消防法・消防法施行令・消防法施行規則の条文に沿って整理します。東京消防庁管内の実務を前提としています。
防火管理者が交代したときに提出する書類は2通です。選任届だけを出して消防計画の変更届を忘れる例が非常に多いため、必ずセットで確認してください。
| 届出書 | 根拠条文 | 届出者 | 時期 |
|---|---|---|---|
| 防火・防災管理者選任(解任)届出書 | 消防法第8条第2項 | 管理権原者 | 選任・解任したとき遅滞なく |
| 消防計画作成(変更)届出書 (施行規則 別記様式第1号の2) |
消防法施行令第3条の2第1項 消防法施行規則第3条第1項 |
防火管理者 | 消防計画を作成・変更したとき |
消防法第8条第2項は「前項の権原を有する者は、同項の規定により防火管理者を定めたときは、遅滞なくその旨を所轄消防長又は消防署長に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。」と定めています。前任者の解任と後任者の選任は、いずれも届出の対象です。
消防計画のほうは、消防法施行規則第3条第1項の末尾が「防火管理に係る消防計画を変更するときも、同様とする。」となっています。消防計画には自衛消防の組織や、防火管理上必要な業務の分担が定められており、防火管理者が交代すればこれらの記載を改める必要があります。したがって選任届と併せて変更届を提出します。
「消防計画変更届出書」という書類は存在しません。正しい様式名は「消防計画作成(変更)届出書」(消防法施行規則 別記様式第1号の2)です。新規作成と変更で様式は同一です。
ここは実務で最も誤解の多い点です。
消防法第8条第1項は、防火対象物の「管理について権原を有する者」(管理権原者)に対して、防火管理者を定め、消防計画の作成等の業務を「行わせなければならない」と定めています。義務の名宛人は管理権原者であり、防火管理者は選ばれて業務を実行する立場です。
したがって、届出を怠ったときに罰則の対象となるのも、消防長・消防署長から命令を受けるのも管理権原者です。「担当者が異動したので手続きを忘れていた」という説明は、法的には管理権原者の責任を免れさせません。
管理権原者とは
建物の管理について法律上正当な権原を持つ者をいいます。自社ビルなら所有者である法人の代表者、テナント入居なら賃借している事業者の代表者が該当します。1棟に複数のテナントが入る場合、管理権原者は複数存在します。
防火管理者の選任義務があるかどうかは、収容人員で判定します。延べ面積で判定するという記述をしばしば見かけますが、これは誤りです。
| 区分 | 主な用途 | 収容人員 |
|---|---|---|
| 第1号イ | (6)項ロ(自力避難困難者を入居させる社会福祉施設等)、これを含む(16)項イ・(16の2)項 | 10人以上 |
| 第1号ロ | (1)〜(4)項、(5)項イ、(6)項イ・ハ・ニ、(9)項イ、(16)項イ、(16の2)項 =劇場・飲食店・物品販売店舗・ホテル・病院・保育所・学校・地下街など |
30人以上 |
| 第1号ハ | (5)項ロ、(7)項、(8)項、(9)項ロ、(10)〜(15)項、(16)項ロ、(17)項 =共同住宅・事務所・工場・倉庫・非特定用途の複合ビルなど |
50人以上 |
収容人員の算定方法は消防法施行規則第1条の3に用途別に定められています。事務所・工場・倉庫((15)項・(12)項・(14)項)は原則として従業者の数で数えるため、人事異動で人員が増減すると選任義務の有無が変わることがあります。異動後に収容人員が基準を超えた場合は、新たに防火管理者を選任しなければなりません。
詳しくは防火管理者の選任の必要な建物と実務フロー、防火対象物の収容人員の計算方法を用途区分別に徹底解説をご覧ください。
延べ面積が意味を持つのは、資格の区分を決める場面です(消防法施行令第3条第1項)。
| 区分 | 対象 | 必要な資格 |
|---|---|---|
| 乙種防火対象物 | 令第1条の2第3項第1号ロ・ハの防火対象物のうち、延べ面積が ・特定用途系((1)〜(4)項、(5)項イ、(6)項イハニ、(9)項イ、(16)項イ、(16の2)項)は300㎡未満 ・その他は500㎡未満 |
乙種防火管理講習修了者 (甲種の資格者でも可) |
| 甲種防火対象物 | 上記以外のすべて。(6)項ロ系(第1号イ)は面積を問わず甲種 | 甲種防火管理講習修了者等 |
「不在を放置すると指導される」という程度の理解では不十分です。消防法には直罰規定があります。
| 違反の内容 | 根拠 | 罰則 |
|---|---|---|
| 防火管理者の選任・解任の届出を怠った | 消防法第8条第2項違反 | 第44条第8号:30万円以下の罰金または拘留 |
| 防火管理者選任命令に従わなかった | 消防法第8条第3項 | 第42条第1項:6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(第45条第3号で法人にも罰金) |
| 防火管理業務適正執行命令に従わなかった | 消防法第8条第4項 | 第41条:1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(第45条第3号で法人にも罰金) |
防火管理者が定められていないと認められるときは、消防長または消防署長は管理権原者に対して選任命令を出すことができます(消防法第8条第3項)。この命令に従わない場合は第42条第1項が適用され、法人にも罰金が科されます。
また、消防法第5条の3等の規定により、命令を受けた旨は公示の対象となり得ます。企業のコンプライアンス上のリスクは罰金額にとどまりません。
消防計画の届出そのものには直罰がありません
消防計画作成(変更)届出書の不提出を直接処罰する規定は、消防法にはありません。消防計画の届出義務は消防法施行規則第3条第1項(省令)に置かれており、法律に届出義務の規定がないため直罰規定を置けないからです。
ただし、消防法第8条第4項の防火管理業務適正執行命令の対象にはなり、命令に違反すれば第41条(1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)が適用されます。「消防計画の変更届を出さないと30万円以下の罰金」という説明は誤りで、それは第8条第2項の選任・解任届の罰則(第44条第8号)です。
なお、拘禁刑は令和7年6月1日施行の刑法等一部改正により「懲役」「禁錮」を一本化した刑名です。改正前の解説記事では「懲役」と表記されています。
「有資格者が異動でいなくなった」という状況でも、取り得る手段は講習受講だけではありません。
甲種防火管理者の資格は、講習修了者に限られません。消防法施行令第3条第1項第1号は次のルートも定めています。
| 号 | 要件 |
|---|---|
| イ | 甲種防火管理講習(おおむね10時間)の課程を修了した者 |
| ロ | 大学・高等専門学校で総務大臣の指定する防災に関する学科・課程を修めて卒業し、1年以上防火管理の実務経験を有する者 |
| ハ | 市町村の消防職員で、管理的または監督的な職に1年以上あった者 |
| ニ | 施行規則第2条で定める者。労働安全衛生法の安全管理者、防火対象物点検資格者、甲種危険物取扱者である危険物保安監督者、一級建築士等で1年以上防火管理の実務経験を有する者など |
とくに安全管理者を選任している事業場では、その者が甲種防火管理者の資格要件を満たしている場合があります。講習の空き待ちで数か月止まる前に、社内の有資格者を洗い出してください。
甲種防火対象物で管理権原が分かれているもの(=複数テナントが入るビル)については、一定規模以下のテナント部分に限り、乙種防火管理講習修了者を防火管理者とすることができます。施行規則第2条の2の2により、(6)項ロ部分10人未満・特定用途30人未満・非特定用途50人未満の部分が対象です。
乙種講習はおおむね5時間(規則第2条の3第4項)で、甲種のおおむね10時間より短期間で受講できます。
共同住宅その他総務省令で定める防火対象物で、管理的・監督的な地位にある者のいずれもが遠隔の地に勤務していることなどにより防火管理業務を適切に遂行できないと消防長・消防署長が認めるときは、資格要件が「防火管理上必要な業務を適切に遂行するために必要な権限及び知識を有する者」に読み替えられます。無人物件やサテライト拠点で使われる規定です。
防火管理上必要な業務の一部を、関係者およびその従業員以外の者に委託することは可能です。この場合、防火管理者は消防計画に受託者の氏名・住所、受託業務の範囲および方法を定めなければなりません(消防法施行規則第3条第2項)。
ただし、これは「業務の委託」であって、防火管理者そのものを外部に置き換える制度ではありません。防火管理者は「当該防火対象物において防火管理上必要な業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的な地位にある者」であることが必要です(令第3条第1項柱書)。
詳しくは防火管理者の選任は内部から?外部から?をご覧ください。
異動が定期的にある組織では、複数名に講習を受けさせておくのが最も確実です。修了証は全国で有効で、有効期限もありません(後述の再講習義務がある場合を除く)。
| 手順 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| ① 建物区分の確認 | 用途・収容人員から選任義務の有無、甲種/乙種の別を確定する | 前回届出時から用途変更や人員増減がないか確認 |
| ② 後任者の選定 | 資格要件と「管理的又は監督的な地位」を満たす者を選ぶ | 修了証の原本を確認。再講習義務の有無も確認 |
| ③ 消防計画の見直し | 防火管理者名、自衛消防の組織、火元責任者等を改める | 管理権原者の指示を受けて防火管理者が作成(規則第3条第1項) |
| ④ 2通の届出 | 選任(解任)届出書+消防計画作成(変更)届出書を所轄消防署へ | 1部(控えが必要なら2部)。窓口・郵送・電子申請が可 |
| ⑤ 社内周知と訓練 | 新体制の周知、訓練の実施計画を確定 | 特定用途は消火・避難訓練を各年2回以上(規則第3条第10項) |
解任日と選任日の間に空白期間を作らないことが理想ですが、やむを得ず空く場合でも、後任が決まり次第すみやかに届け出ることが優先です。届出をしないまま放置することが最も重いリスクを生みます。
消防計画の法定記載事項は、消防法施行規則第3条第1項第1号イ〜ヲに列挙されています。引き継ぎのチェックリストはこの条文に沿って作るのが確実です。
| 号 | 消防計画に定める事項 |
|---|---|
| イ | 自衛消防の組織に関すること |
| ロ | 火災予防上の自主検査に関すること |
| ハ | 消防用設備等・特殊消防用設備等の点検および整備に関すること |
| ニ | 避難通路・避難口・安全区画・防煙区画その他の避難施設の維持管理およびその案内に関すること |
| ホ | 防火壁・内装その他の防火上の構造の維持管理に関すること |
| ヘ | 定員の遵守その他収容人員の適正化に関すること |
| ト | 防火管理上必要な教育に関すること |
| チ | 消火・通報・避難の訓練その他防火管理上必要な訓練の定期的な実施に関すること |
| リ | 火災・地震その他の災害が発生した場合における消火活動・通報連絡・避難誘導に関すること |
| ヌ | 防火管理についての消防機関との連絡に関すること |
| ル | 工事中の防火対象物における防火管理者またはその補助者の立会いその他火気の使用・取扱いの監督に関すること |
| ヲ | その他防火管理に関し必要な事項 |
これに加えて、実務上は次の書類を引き継ぎます。
・防火管理者の修了証(原本の所在)
・過去に提出した選任届・消防計画作成(変更)届出書の消防署受付印のある控え
・消防用設備等点検結果報告書の控え(特定防火対象物は1年に1回、非特定は3年に1回の報告)
・防火対象物点検結果報告書の控え(対象の場合)
・自衛消防訓練実施結果報告書(通知書)の控え
・消防署の立入検査結果通知書と是正報告の控え
・消防用設備等の維持管理記録、防火対象物の図面
消防法施行規則第3条第10項は、令別表第一(1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項、(9)項イ、(16)項イ、(16の2)項——すなわち飲食店・物品販売店舗・ホテル・病院・社会福祉施設・学校等の特定用途の防火対象物について、消火訓練と避難訓練をそれぞれ年2回以上実施しなければならないと定めています。
非特定用途(事務所・工場・倉庫等)には法令上の回数の定めはなく、消防計画に定めた回数を実施します。「非特定用途は年1回以上」という説明を見かけますが、条文上の根拠はありません。
見落としやすい義務
消防法施行規則第3条第11項により、消火訓練・避難訓練を実施する場合はあらかじめ消防機関に通報しなければなりません。東京消防庁管内では「自衛消防訓練実施結果報告書(通知書)」で行います。
収容人員300人以上の特定用途の防火対象物(消防法施行令第4条の2の2第1項第1号)の甲種防火管理者には、甲種防火管理再講習(おおむね2時間、施行規則第2条の3第3項)の受講義務があります。
受講期限は次のとおりです。
・選任された日の4年前までに講習を修了している場合 → 選任された日から1年以内
・それ以外の場合 → 講習を修了した日以後最初の4月1日から5年以内
人事異動で古い修了証を持つ職員を選任すると、選任から1年以内の再講習が必要になることがあります。修了証の日付を必ず確認してください。
管理権原が分かれている一定の防火対象物には、建物全体を統括する統括防火管理者を置きます(消防法第8条の2第1項)。統括防火管理者を交代させたときも、管理権原者は遅滞なく届け出なければなりません(同条第4項)。
対象となるのは、管理権原が分かれている次のものです。
・高層建築物(高さ31mを超える建築物)
・(6)項ロ、(6)項ロを含む(16)項イ で地階を除く階数3以上かつ収容人員10人以上(令第3条の3第1号)
・(1)〜(4)項、(5)項イ、(6)項イハニ、(9)項イ、(16)項イ で地階を除く階数3以上かつ収容人員30人以上(同第2号)
・(16)項ロ で地階を除く階数5以上かつ収容人員50人以上(同第3号)
・(16の3)項(準地下街)(同第4号)
・地下街のうち消防長または消防署長が指定するもの
各テナントの消防計画は、全体についての消防計画に適合するものでなければなりません(消防法第8条の2第3項)。テナント側の防火管理者が交代した場合は、統括防火管理者にも連絡が必要です。詳しくは統括防火管理者と協議会の設置|複合建物における防火管理の要点をご覧ください。
防災管理対象物では、防災管理者は防火管理者と同一人でなければなりません(消防法第36条第2項)。防火管理者が異動した場合、防災管理者も同時に交代することになります。
防災管理者の選任・解任の届出は、消防法第36条第1項が第8条第2項を準用して行われ、届出を怠った場合の罰則も第44条第8号(30万円以下の罰金または拘留)です。あわせて防災管理に係る消防計画作成(変更)届出書(令第48条第1項、規則第51条の8第1項)の提出も必要になります。詳しくは防災管理が必要な建物をご覧ください。
「手続きが負担なので外部に任せたい」という場合、依頼先の選定を誤ると依頼した側もリスクを負います。
行政書士法第1条の3は、官公署に提出する書類の作成を行政書士の業務と定め、同法第19条第1項は次のように規定しています。
行政書士法第19条第1項(業務の制限)
行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第一条の三に規定する業務を行うことができない。(以下略)
この「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言は、行政書士法の一部を改正する法律(令和7年法律第65号。令和8年1月1日施行)で明示されたものです。総務省は改正の趣旨を、「手数料」や「コンサルタント料」等どのような名目であっても対価を受領して業として官公署提出書類を作成することは違法であるという現行法の解釈を条文に明示するものと説明しています。改正が新たに違法行為を作ったのではなく、従来から違法だったことを条文で確認したものです。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 行政書士法第21条の2 | 第19条第1項違反:1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 |
| 行政書士法第23条の3 | 令和8年1月1日施行の新設両罰規定。法人の従業者等が業務に関して違反したときは、行為者を罰するほかその法人にも100万円以下の罰金 |
総務省消防庁からも、令和7年2月25日付で「消防法令に基づく各種手続における行政書士法違反の防止について」(消防予第75号・消防危第30号・消防特第35号)が発出され、消防署への提出書類の作成が行政書士の業務であることが改めて示されています。
依頼先を選ぶときのチェックポイント
・「防災コンサルタント」「防火管理代行」等の名称でも、報酬を得て業として届出書類を作成すれば行政書士法第19条第1項違反です
・消防設備点検業者が作成できるのは点検票・点検結果総括表・試験結果報告書といった点検結果の記録までです。消防署に提出する報告書の鑑(かがみ)は、関係者・管理権原者名義の官公署提出書類にあたります
・依頼先が行政書士かどうかは、都道府県行政書士会の会員名簿で確認できます
詳しくは消防署への提出書類作成と行政書士法違反の防止についてをご覧ください。
| 業務 | 内容 | 報酬額(税抜) |
|---|---|---|
| 防火・防災管理者選任(解任)届出書 | 選任(解任)届出書のみ | 8,000円~20,000円 |
| 同上 | 消防計画作成届出書と一括の場合 | 6,000円~ |
| 消防計画作成(変更)届出書 | 変更(規模を問わず) | 15,000円~40,000円 |
| 統括防火(防災)管理者選任届出書 | 変更 | 10,000円~ |
| 自衛消防訓練実施結果報告書(通知書) | 届出のみ | 5,000円~20,000円 |
上記はすべて税抜表示です。別途消費税を申し受けます。金額に幅があるのは、建物の規模・用途、図面作成の要否、消防署との事前協議の回数によって作業量が変わるためです。実費(交通費、証明書取得費用等)は別途申し受けます。初回のご相談は無料です。
最新の料金表は報酬額表をご確認ください。
「防火・防災管理者選任(解任)届出書」と「消防計画作成(変更)届出書」の2通を、所轄の消防署に提出します。東京消防庁も、防火管理者を選任・変更する場合はこの2つの届出書が必要としています。前任者の解任と後任者の選任は同一の様式で届け出ます。
いいえ。選任(解任)届出書の届出義務者は管理権原者です(消防法第8条第2項)。一方、消防計画作成(変更)届出書は防火管理者が届け出ます(消防法施行令第3条の2第1項、消防法施行規則第3条第1項)。届出者が異なる点に注意してください。
あります。防火管理者の選任・解任の届出を怠った場合、消防法第44条第8号により30万円以下の罰金または拘留に処せられます。さらに防火管理者が定められていないと認められれば消防長・消防署長から選任命令が出され、これに従わない場合は第42条第1項(6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)が適用され、第45条第3号により法人にも罰金が科されます。
消防法第8条第2項は「遅滞なく」と定めており、日数による期限は規定されていません。ただし「遅滞なく」は法令用語として最も切迫した即時性を求める表現であり、正当な理由なく引き延ばすことは許されません。実務上は選任日から数日以内の提出を目指してください。
収容人員で判断します(消防法施行令第1条の2第3項)。自力避難困難者を入居させる社会福祉施設等は10人以上、飲食店・物品販売店舗・ホテル・病院等の特定用途は30人以上、事務所・工場・共同住宅等の非特定用途は50人以上が基準です。延べ面積は甲種・乙種の区分(令第3条第1項)を決める数字であり、選任義務の有無の判定には使いません。
いいえ。消防法施行令第3条第1項第1号ロ〜ニにより、防災に関する学科を修めて卒業し1年以上の実務経験がある者、消防職員として管理的・監督的な職に1年以上あった者、施行規則第2条で定める者(安全管理者、防火対象物点検資格者、甲種危険物取扱者である危険物保安監督者、一級建築士等で1年以上の実務経験を有する者など)も甲種防火管理者になることができます。社内の有資格者を先に確認してください。
修了証自体に有効期限はありませんが、収容人員300人以上の特定用途の防火対象物では甲種防火管理再講習の受講義務があります(消防法施行令第4条の2の2第1項第1号、施行規則第2条の3)。選任された日の4年前までに講習を修了している場合は、選任された日から1年以内に再講習を受ける必要があります。修了証の日付を必ず確認してください。
防火管理者は「当該防火対象物において防火管理上必要な業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的な地位にある者」から選ぶ必要があります(消防法施行令第3条第1項)。原則として自社内から選任します。防火管理上必要な業務の一部を外部に委託することは可能ですが、その場合は消防計画に受託者の氏名・住所と受託業務の範囲・方法を定めなければなりません(消防法施行規則第3条第2項)。
行政書士でない者が報酬を得て業として消防署への提出書類を作成することは、行政書士法第19条第1項に違反します。名目が「手数料」「コンサルタント料」であっても同じです(令和8年1月1日施行の改正で条文に明示)。違反者には同法第21条の2により1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科され、法人にも同法第23条の3により100万円以下の罰金が科されます。総務省消防庁からも令和7年2月25日付通知(消防予第75号ほか)が発出されています。
飲食店・物品販売店舗・ホテル・病院・社会福祉施設・学校等の特定用途の防火対象物では、消火訓練と避難訓練をそれぞれ年2回以上実施しなければなりません(消防法施行規則第3条第10項)。事務所・工場等の非特定用途には法令上の回数の定めがなく、消防計画に定めた回数を実施します。いずれの場合も、訓練を実施するときはあらかじめ消防機関に通報する必要があります(同条第11項)。
管理権原が分かれている建物では、各テナントの消防計画は全体についての消防計画に適合するものでなければなりません(消防法第8条の2第3項)。防火管理者が交代したときは、統括防火管理者にも連絡し、全体についての消防計画の見直しが必要かを確認してください。
・人事異動で防火管理者が交代したら、選任(解任)届出書と消防計画作成(変更)届出書の2通を所轄消防署へ提出する
・届出義務者は管理権原者(消防法第8条第2項)。防火管理者本人ではない
・届出を怠ると30万円以下の罰金または拘留(消防法第44条第8号)
・選任義務の判定は収容人員(令第1条の2第3項)。延べ面積は甲種・乙種の区分に使う
・後任がいないときは、講習以外の資格ルート(令第3条第1項第1号ロ〜ニ)を先に確認する
・特定用途は消火訓練・避難訓練を各年2回以上、実施前に消防機関へ通報(規則第3条第10項・第11項)
・届出書類を報酬を得て作成できるのは行政書士だけ(行政書士法第19条第1項)
防火管理者の不在は、消防署の立入検査で必ず指摘される事項です。異動の内示が出た段階で後任の候補と資格の有無を確認しておけば、空白期間を作らずに済みます。
当事務所では、防火管理者の選任届から消防計画の作成・変更まで、東京消防庁管内の届出を一括してお引き受けしています。初回のご相談は無料です。
・消防法(昭和23年法律第186号)第8条、第8条の2、第36条、第41条、第42条、第44条、第45条
・消防法施行令(昭和36年政令第37号)第1条の2、第3条、第3条の2、第3条の3、第4条の2の2、第48条
・消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第1条の3、第2条、第2条の2、第2条の2の2、第2条の3、第3条、第51条の8
・行政書士法(昭和26年法律第4号)第1条の3、第1条の4、第19条、第21条の2、第23条の3
・行政書士法の一部を改正する法律(令和7年法律第65号/令和8年1月1日施行)
・総務省自治行政局長通知 総行行第281号(令和7年6月13日)
・総務省消防庁「消防法令に基づく各種手続における行政書士法違反の防止について」消防予第75号・消防危第30号・消防特第35号(令和7年2月25日)
・東京消防庁「防火・防災管理者選任(解任)届出書」「消防計画作成(変更)届出書」
・東京都火災予防条例第55条の3
本記事は2026年8月16日時点の法令に基づいて作成しています。個別の建物について判断が必要な場合は、所轄の消防署または当事務所にご相談ください。
萩本 昌史(はぎもと まさし)
行政書士萩本昌史事務所 代表
特定行政書士/消防設備士/防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者
〒157-0061 東京都世田谷区北烏山7-25-8-401
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