

この記事の結論
店舗やオフィスを新しく使い始めるとき、「うちの建物に防火管理者は必要か」「防火対象物点検の対象になるのか」を分けているのは、延べ面積ではなく収容人員です。この記事では、消防法施行規則第1条の3の条文にそって、用途区分別の算定方法を計算例つきで解説します。

収容人員とは、当該防火対象物に出入し、勤務し、又は居住する者の数をいいます。消防法施行令第1条の2第3項第1号イのかっこ書きが、この語を定義しています。
そして、その具体的な数え方は同条第4項で総務省令に委任され、消防法施行規則第1条の3の表に用途区分ごとに定められています。「収容人員の算定要領」という別の基準があるわけではなく、根拠はこの省令の条文そのものです。
収容人員の根拠条文
収容人員は、規則第1条の3の表に定める方法で機械的に算出する数値です。したがって、次のようになります。
消防法第8条第1項は、防火管理者に行わせる防火管理上必要な業務の一つとして「収容人員の管理」を明記しています。算定は届出のときだけの作業ではなく、レイアウト変更や増床のたびに見直すべき継続的な業務です。
用途区分そのものの判定については、消防法における建物の用途判定とは?消防法施行令 別表第1に基づく建物の用途について解説および用途判定のポイント:主たる用途・従属的用途・複合用途防火対象物の考え方もあわせてご覧ください。
収容人員は、次の義務の有無や規模を決める基準として使われます。いずれも根拠条文が異なるため、しきい値も別々です。
| 義務 | 収容人員の基準 | 根拠 |
|---|---|---|
| 防火管理者の選任・届出 | (6)項ロ等を含むもの10人以上/特定用途30人以上/非特定用途50人以上 | 消防法第8条第1項、令第1条の2第3項第1号 |
| 統括防火管理者の選任・届出 | 階数の要件に加えて10人以上/30人以上/50人以上(管理権原が分かれているもの) | 消防法第8条の2第1項、令第3条の3 |
| 防火対象物点検の報告 | 特定防火対象物で300人以上。または特定用途が避難階以外の階(1階・2階を除く)にあり直通階段が1つのもの | 消防法第8条の2の2第1項、令第4条の2の2 |
| 避難器具の設置 | 用途と階に応じて10人以上/20人以上/30人以上/50人以上/100人以上/150人以上 | 消防法第17条第1項、令第25条第1項 |
| 避難器具の設置個数 | 収容人員100人・200人・300人ごとに1個を加算 | 令第25条第2項第1号 |
| 甲種防火管理再講習の受講 | 特定用途の防火対象物で300人以上 | 令第4条の2の2第1号、規則第2条の3 |
防火対象物点検の「30人以上」はどこから来るか
令第4条の2の2第2号には収容人員の数字が書かれていません。しかし、消防法第8条の2の2第1項が対象を「第8条第1項の防火対象物のうち……政令で定めるもの」と定めているため、そもそも防火管理者の選任義務がある建物であることが前提になります。特定用途であれば収容人員30人以上がその入口です。
規則第1条の3第1項の表を、条文どおりに整理したものが次の表です。まず用途区分を確定し、その行の算定方法を適用します。
| 用途区分(令別表第一) | 代表的な施設 | 算定方法(合算) |
|---|---|---|
| (1)項 | 劇場、映画館、演芸場、公会堂、集会場 | ①従業者の数 ②客席部分ごとに、固定式のいす席はその席数(長いす式は正面幅÷0.4m、1未満切捨て)、立見席は床面積÷0.2㎡、その他の部分は床面積÷0.5㎡ |
| (2)項・(3)項のうち遊技場 | パチンコ店、ゲームセンター等 | ①従業者の数 ②遊技のための機械器具を使用して遊技を行うことができる者の数 ③観覧・飲食・休憩の用に供する固定式のいす席がある場合はその席数(長いす式は正面幅÷0.5m、1未満切捨て) |
| (2)項・(3)項のうちその他のもの | キャバレー、ナイトクラブ、ダンスホール、カラオケボックス、料理店、飲食店 | ①従業者の数 ②客席部分ごとに、固定式のいす席はその席数(長いす式は正面幅÷0.5m、1未満切捨て)、その他の部分は床面積÷3㎡ |
| (4)項 | 百貨店、マーケット、物品販売店舗、展示場 | ①従業者の数 ②主として従業者以外の者の使用に供する部分について、飲食・休憩の用に供する部分は床面積÷3㎡、その他の部分は床面積÷4㎡ |
| (5)項イ | 旅館、ホテル、宿泊所 | ①従業者の数 ②宿泊室ごとに、洋式はベッドの数、和式は床面積÷6㎡(簡易宿所・主として団体客を宿泊させるものは÷3㎡) ③集会・飲食・休憩の用に供する部分について、固定式のいす席はその席数(長いす式は正面幅÷0.5m)、その他の部分は床面積÷3㎡ |
| (5)項ロ | 寄宿舎、下宿、共同住宅 | 居住者の数により算定 |
| (6)項イ | 病院、診療所、助産所 | ①医師、歯科医師、助産師、薬剤師、看護師その他の従業者の数 ②病室内にある病床の数 ③待合室の床面積の合計÷3㎡ |
| (6)項ロ・ハ | 老人短期入所施設、特別養護老人ホーム、救護施設、乳児院、障害児入所施設、障害者支援施設、老人デイサービスセンター、保育所等 | 従業者の数+老人、乳児、幼児、身体障害者、知的障害者その他の要保護者の数 |
| (6)項ニ | 幼稚園、特別支援学校 | 教職員の数+幼児、児童又は生徒の数 |
| (7)項 | 小学校、中学校、高等学校、大学、専修学校、各種学校 | 教職員の数+児童、生徒又は学生の数 |
| (8)項 | 図書館、博物館、美術館 | 従業者の数+閲覧室、展示室、展覧室、会議室又は休憩室の床面積の合計÷3㎡ |
| (9)項 | 蒸気浴場・熱気浴場等(イ)、その他の公衆浴場(ロ) | 従業者の数+浴場、脱衣場、マッサージ室及び休憩の用に供する部分の床面積の合計÷3㎡ |
| (11)項 | 神社、寺院、教会 | 神職、僧侶、牧師その他従業者の数+礼拝、集会又は休憩の用に供する部分の床面積の合計÷3㎡ |
| (10)項、(12)項〜(14)項 | 車両の停車場・船舶や航空機の発着場、工場・作業場、映画スタジオ・テレビスタジオ、自動車車庫・駐車場、航空機格納庫、倉庫 | 従業者の数のみにより算定 |
| (15)項 | 事務所、オフィスビル、その他前各項に該当しない事業場 | 従業者の数+主として従業者以外の者の使用に供する部分の床面積÷3㎡ |
| (17)項 | 重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡等に指定された建造物 | 床面積÷5㎡により算定(従業者の数は加算しない) |
※(16)項・(16の2)項は規則第1条の3第2項に別に定めがあります(次章)。(16の3)項(準地下街)、(18)項〜(20)項は、消防法第8条第1項の防火対象物から除かれており(令第1条の2第3項第1号かっこ書き)、規則第1条の3第1項の表にも掲げられていません。
条件:固定式のいす席300席、立見席部分40㎡、その他の客席部分20㎡、従業者5人
計算:300席 +(40㎡ ÷ 0.2㎡ = 200)+(20㎡ ÷ 0.5㎡ = 40)+ 従業者5人
収容人員=545人
長いす式のいす席の場合は、席数ではなく正面幅を0.4mで除した数(1未満の端数は切捨て)を用います。(1)項だけが0.4mで、(2)項・(3)項・(5)項イは0.5mです。ここを取り違えると結果が大きくずれます。
規則第1条の3の表は、(2)項・(3)項を「遊技場」と「その他のもの」の2行に分けています。この2つを混ぜて計算すると誤りになります。
遊技場には「床面積÷3㎡」の定めがありません。遊技場の客席相当部分は、遊技のための機械器具を使用して遊技を行うことができる者の数で数えます。逆に、キャバレー・飲食店・カラオケボックスなどの「その他のもの」には、遊技機の項目はありません。
条件:遊技機200台(いずれも1人で遊技するもの)、休憩コーナーに長いす式のいす席(正面幅の合計10m)、従業者15人
計算:200 +(10m ÷ 0.5m = 20)+ 従業者15人
収容人員=235人
条件:個室10室(各12㎡、固定式のいす席なし)、従業者2人
計算:客席部分120㎡ ÷ 3㎡ = 40 + 従業者2人
収容人員=42人
カラオケボックスは(2)項ニに該当し、表の「その他のもの」の行を適用します。各室の定員(何名まで利用可)を積み上げて算定する方法は、条文にはありません。固定式のいす席が設けられていればその席数、設けられていなければ床面積を3㎡で除して算定します。
条件:売場400㎡、イートインコーナー90㎡、バックヤード60㎡、従業者10人
計算:(400㎡ ÷ 4㎡ = 100)+(90㎡ ÷ 3㎡ = 30)+ 従業者10人
収容人員=140人
条文は面積の対象を「主として従業者以外の者の使用に供する部分」に限っています。バックヤード、事務室、従業員休憩室は面積計算に算入せず、そこで働く人は従業者の数として数えます。
テナントとして最も相談が多いのが(15)項です。算定は従業者の数+主として従業者以外の者の使用に供する部分の床面積÷3㎡です。
条件:従業者60人、来客用の応接室・会議室・エントランスロビー計45㎡(執務室・書庫・給湯室は従業者が使用する部分)
計算:従業者60人 +(45㎡ ÷ 3㎡ = 15)
収容人員=75人 → 非特定用途で50人以上のため防火管理者の選任が必要(令第1条の2第3項第1号ハ)
執務室の床面積は算入しません。執務室を使うのは従業者であり、その人数はすでに①で数えているためです。ここを二重に数えて過大な収容人員を届け出てしまう例が見られます。
複合用途防火対象物((16)項イ・ロ)と地下街((16の2)項)は、規則第1条の3第2項が算定方法を定めています。
消防法施行規則第1条の3第2項(要旨)
令別表第一(16)項及び(16の2)項に掲げる防火対象物については、同表各項の用途と同一の用途に供されている部分をそれぞれ1の防火対象物とみなして第1項の規定を適用した場合における収容人員を合算して算定する。
条件:1階に飲食店((3)項ロ・客席60㎡、固定式いす席なし、従業者4人)、2〜4階に事務所((15)項・従業者50人、来客用会議室30㎡)、5階に共同住宅((5)項ロ・居住者8人)
計算
建物全体の収容人員=24 + 60 + 8 = 92人
この建物は特定用途を含む(16)項イであり、収容人員30人以上のため建物全体として防火管理の対象になります。なお、防火管理者を選任し届け出る義務を負うのは建物単位ではなく管理について権原を有する者ごとである点に注意してください(消防法第8条第1項)。詳しくは防火管理者の選任の必要な建物と実務フローおよび複合防火対象物とは?種類と防火管理上の留意点を徹底解説をご覧ください。
規則第1条の3第2項が対象としているのは(16)項と(16の2)項だけで、(16の3)項(準地下街)は含まれていません。
これは、令第1条の2第3項第1号のかっこ書きが(16の3)項および(18)項〜(20)項を消防法第8条第1項の防火対象物から除いているためです。準地下街には防火管理者の選任義務がなく、収容人員の算定方法も規則第1条の3の表には置かれていません。準地下街を「連続地下道」と呼ぶ解説も見かけますが、令別表第一の用語は「準地下街」です。
規則第1条の3第1項の表には、令第1条の2第3項第2号(新築の工事中の建築物)および第3号(建造中の旅客船)についての行もあります。ここは「仮使用」の扱いが誤解されやすい部分です。
| 区分 | 算定方法 |
|---|---|
| 令第1条の2第3項第2号の建築物(新築の工事中のもの)のうち、建築基準法第7条の6第1項第1号・第2号または第18条第38項第1号・第2号の規定による仮使用認定を受けたもの | ①仮使用認定を受けた部分については、その部分の用途を表の用途区分とみなして算定した数 ②その他の部分については従業者の数 この①②を合算 |
| 上記以外の令第1条の2第3項第2号の建築物、および同項第3号の建造中の旅客船 | 従業者の数により算定 |
この規定は「工事中の建築物」限定です。完成して通常に使用している建物には適用されません。また、建築基準法上の用語は「仮使用認定」であり、「仮使用の承認」ではありません(平成26年の建築基準法改正で承認制から認定制に変わりました)。
なお、令第1条の2第3項第2号の建築物とは、収容人員50人以上で、イ 地階を除く階数11以上かつ延べ面積1万㎡以上 ロ 延べ面積5万㎡以上 ハ 地階の床面積の合計5,000㎡以上のいずれかに該当するものです。「階数11以上」だけではない点に注意してください。
算定方法は用途区分ごとに違うため、用途判定を誤れば算定方法ごと誤ります。複数の用途がある場合でも、一の用途に供される部分が管理についての権原・利用形態その他の状況により他の用途の従属的な部分と認められるときは、その用途は他の用途に含まれます(令第1条の2第2項)。この場合、建物は複合用途防火対象物になりません。
規則第1条の3で「1未満のはしたの数は切り捨てるものとする」と明記されているのは、長いす式のいす席を正面幅で除して算定する場合だけです。床面積を0.2㎡・0.5㎡・3㎡・4㎡・5㎡・6㎡で除して得た数の端数処理について、条文は何も定めていません。実務上は所轄消防署の運用に従うことになりますので、境界線上の数値になる場合は事前に確認してください。
規則第1条の3は「従業者の数」を用いていますが、その定義規定は置かれていません。実務では、その防火対象物に勤務する者の数をパート・アルバイトを含めて把握し、交代制の場合の取扱いを含めて所轄消防署と確認するのが確実です。「常時勤務者だけを数える」といった一律の条文上のルールがあるわけではありません。
(1)項・(2)項・(3)項・(5)項イは、いずれも「客席の部分ごとに」算定すると規定しています。固定式のいす席がある部分は席数で、それ以外の部分は床面積で、というように同じ室内でも部分ごとに方法を分けて算定し、合計します。建物全体をどちらか一方の方法で計算するものではありません。
座席の増設、間仕切りの変更、来客スペースの拡張は収容人員を動かします。収容人員が変われば、防火管理者の選任義務や消防計画の内容にも影響します。消防計画の記載事項に変更が生じたときは、消防計画作成(変更)届出書の提出が必要です(消防法第8条第1項、消防法施行規則第3条第1項)。詳しくは消防計画の変更が必要なケースとは?詳しく解説!をご覧ください。
| よくある誤り | 正しい取扱い |
|---|---|
| 収容人員は「出入りまたは滞在する人の数」 | 「出入し、勤務し、又は居住する者の数」(令第1条の2第3項第1号イ)。勤務者と居住者が定義に含まれている |
| 遊技場も「その他の部分は床面積÷3㎡」で加算する | 遊技場の行に床面積による算定はない。従業者の数+遊技を行うことができる者の数+観覧等の固定式いす席の数 |
| カラオケボックスは「各室の定員×室数」で算定する | (2)項ニは表の「その他のもの」。固定式のいす席の数、またはその他の部分の床面積÷3㎡で算定する |
| 長いす式の除数はどの用途も0.5m | (1)項は0.4m、(2)項・(3)項・(5)項イは0.5m |
| (7)項の学校は「幼児・児童・生徒」を数える | (7)項は「児童、生徒又は学生」。「幼児、児童又は生徒」は(6)項ニ(幼稚園・特別支援学校) |
| (16の3)項(準地下街)にも収容人員の算定方法がある | 規則第1条の3第2項の対象は(16)項と(16の2)項のみ。(16の3)項は消防法第8条第1項の防火対象物から除かれている |
| 仮使用の承認を受けた建物は、仮使用部分を本来の用途とみなして算定する | 対象は令第1条の2第3項第2号の新築の工事中の建築物に限られる。用語も「仮使用認定」(建築基準法第7条の6第1項等) |
| 用途未確定の部分は3㎡/人で暫定計算する | そのような規定は消防法令にない。用途を確定させたうえで、該当する行の算定方法を適用する |
| (17)項(重要文化財等)には算定方法がない | 床面積÷5㎡で算定する(規則第1条の3第1項の表) |
| 事務所は執務室の床面積も3㎡で除して加算する | 面積で算定するのは「主として従業者以外の者の使用に供する部分」のみ。執務室の利用者は従業者の数として計上済み |
消防法施行規則第1条の3です。消防法施行令第1条の2第4項が「収容人員の算定方法は、総務省令で定める。」と委任し、これを受けて規則第1条の3が用途区分ごとの算定方法を表で定めています。用途区分は消防法施行令別表第一によります。
いいえ。収容人員とは「当該防火対象物に出入し、勤務し、又は居住する者の数」であり(消防法施行令第1条の2第3項第1号イ)、規則第1条の3の表に定める方法で算定した数値です。実際の来店者が少なくても、算定結果が下がることはありません。
令別表第一(15)項として、従業者の数と、主として従業者以外の者の使用に供する部分の床面積を3㎡で除して得た数を合算します。来客用の応接室・会議室・エントランスロビーは面積で算定し、執務室・書庫・給湯室など従業者が使用する部分の面積は算入しません。従業者60人、来客用スペース45㎡であれば、60+(45÷3=15)=75人です。
いいえ。カラオケボックスは令別表第一(2)項ニに該当し、規則第1条の3の表では(2)項・(3)項の「その他のもの」の行を適用します。固定式のいす席が設けられている部分はその席数、それ以外の部分は床面積を3㎡で除して得た数を用い、これに従業者の数を加えます。各室の定員を積み上げる算定方法は条文にありません。
加えません。規則第1条の3の表は(2)項・(3)項を「遊技場」と「その他のもの」に分けており、遊技場の行には床面積による算定がありません。遊技場は、従業者の数、遊技のための機械器具を使用して遊技を行うことができる者の数、観覧・飲食・休憩の用に供する固定式のいす席の数を合算します。
令別表第一(16)項および(16の2)項の防火対象物は、同表各項の用途と同一の用途に供されている部分をそれぞれ1の防火対象物とみなして算定し、その結果を合算します(規則第1条の3第2項)。1階の飲食店は(3)項の方法、上階の事務所は(15)項の方法、住戸部分は(5)項ロの方法で算定し、合計がビル全体の収容人員になります。
令別表第一(5)項ロ(寄宿舎、下宿、共同住宅)は、居住者の数により算定します。床面積や戸数ではなく、実際に居住している人数です。非特定用途のため、収容人員50人以上で防火管理者の選任が必要になります(令第1条の2第3項第1号ハ)。
規則第1条の3が端数の切捨てを明記しているのは、長いす式のいす席の正面幅を0.4mまたは0.5mで除して算定する場合だけです。床面積を除して得た数の端数処理について条文の定めはなく、所轄消防署の運用によります。10人・30人・50人・300人といったしきい値の境界にかかる場合は、届出前に所轄消防署へ確認することをおすすめします。
収容人員そのものの届出制度はありませんが、収容人員は消防計画の記載事項や防火管理体制の前提になります。消防計画の内容に変更が生じたときは、消防計画作成(変更)届出書の提出が必要です(消防法第8条第1項、消防法施行規則第3条第1項)。また、算定の結果はじめて選任基準に達した場合は、防火管理者を選任して遅滞なく届け出なければなりません(消防法第8条第2項)。届出を怠った場合の罰則は30万円以下の罰金または拘留です(消防法第44条第8号)。
収容人員が大きくなると、防火管理者の選任、防火対象物点検の報告、避難器具の設置といった義務が発生し、本来不要な負担が生じます。逆に過小に算定すれば、必要な義務を履行しないまま放置することになり、立入検査での指摘や措置命令の対象になり得ます。いずれの方向の誤りも実害があるため、算定は条文に沿って正確に行う必要があります。
行政書士萩本昌史事務所では、東京消防庁管内を中心に、収容人員の算定を含む防火管理関係の書類作成と届出代理を承っています。
官公署に提出する書類を、報酬を得て業として作成できるのは行政書士または行政書士法人に限られます(行政書士法第19条第1項、同法第1条の3)。違反した場合は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(同法第21条の2)、法人にも100万円以下の罰金が科されます(同法第23条の3)。「手数料」「コンサルタント料」など名目を問わず対価を受け取って書類を作成すれば、これに該当します。
報酬額は報酬額表をご確認ください。最新の料金は同ページが正本です。初回のご相談は無料です。
条文はe-Gov法令検索(デジタル庁)で公開されている現行法令によって確認しています。本記事は2026年8月16日時点の法令に基づいています。個別の建物の判断は、必ず所轄の消防署にご確認ください。
萩本 昌史(はぎもと まさし)
特定行政書士/消防設備士/防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者
行政書士萩本昌史事務所 代表
〒157-0061 東京都世田谷区北烏山7-25-8-401
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